新型コロナウイルス不活化 低濃度オゾン発生装置 院内7台稼働中
人体に影響を与えない低濃度のオゾンガスで、新型コロナウイルスの感染力を低下させる効果があることが藤田医科大学・奈良県立医科大学で世界で初めて実証されました。
今までは新型コロナウイルス不活化の効果が実証されたのは、液体のオゾン水か、人体に影響を与える高濃度のオゾンガスであり、有人環境で安全な低濃度オゾンガスでの不活化は確認されていませんでした。今回の実証結果を受け、人体に害のない低濃度オゾンガスでもその効果が認められたことは、とても意義のあることです。
今回の藤田医科大学・奈良県立医科大学の実証結果を受け、新型コロナウイルスの感染予防として、当院では2種類の低濃度オゾン発生装置「エアネス2」「オゾネオ」を計7台導入いたしました。
低濃度オゾンガスは、新型コロナウイルスだけでなく、新型インフルエンザや、従来の季節型のインフルエンザにも効果が実証されています。常に適量の低濃度オゾンガスが漂っていることで、感染しにくい安心な治療環境をご用意しておりますので、安心してご来院ください。
低濃度オゾンによる新型コロナウイルス不活化のしくみ
①特許技術 『多重リング式コロナ放電』
特許技術 『多重リング式コロナ放電』が放つ 『低濃度拡散オゾン』と 『マイナスイオン気流』について
エアネス2・オゾネオの多重リング状の金属電極と針状の電極の間に高電圧を掛けることでコロナ放電という雷のような現象が起こります。
空気中の酸素 (O2)や水蒸気(H2O)にコロナ放電が作用しオゾン(O3)やイオンを生み出します。
イオンは風となって『マイナスイオン気流』を起こしオゾンを広く室内に拡散させます。
②オゾンガスとは?
オゾン(Ozone)は、ギリシャ語の「Ozein(臭う)」を語源とする特有の臭いを持った気体です。分子記号ではO3と表記し、自然界においては、大気中の酸素(O2)に太陽の紫外線が作用することで生成されます。オゾンの素は大気中の酸素なのです。
オゾンというと、地球の上空に存在している「オゾン層」がよく知られていますが、上空に限らず、私たちが生活している地上付近においても、太陽の紫外線による作用で生成されている身近な存在です。
また、オゾンは強い酸化力を持っており、その酸化力でウイルスや細菌の構造を破壊したり、物質と物質の化学的な結合を分解したりします。それにより、優れた抗ウイルス力、殺菌力、脱臭力、分解力を発揮します。
②オゾンガスの安全性は?
自然界でも存在するオゾンガス濃度は、都市部で0.005ppm程度、海岸や森林で0.005~0.01ppm。晴天時の太陽光が強い場合は0.01~0.05ppm。
例えば「海辺や森林などが体に良い」とよくいわれますが、森林特有の香りを感じてすがすがしい気持ちになるのは、通常の空気よりもオゾンをより多く含んでいるからで、適量のオゾンは体に活力を与え健康によいとされています。
一方、基準を超える高濃度のオゾンは体に害を及ぼすことがあり、オゾンガスの適切な濃度を管理することが、有効利用する際のキーポイントとなります。下の表は、オゾンが人体に与える影響度と生活・労働環境における基準値を濃度別に示したものです。
「エアネス2」「オゾネオ」で発生する低濃度のオゾンは、上表の「室内での許容濃度平均値」に該当する0.05ppm以下の濃度です。第三者機関によるオゾン濃度測定を実施することで、適用空間でのオゾン濃度が人体に害のない適正なレベルであることを確認しています。
当院導入機種は、特定非営利活動法人 日本オゾン協会による「小型発生器認定」も取得しております。
オゾン発生装置を製造する事業者の生産・品質管理体制、安全かつ有効に使用できる品質を有しているかどうかを、日本オゾン協会が独自に定めた基準をもとに審査し、その基準をクリアーした製造事業者や製品(型式)を認定する制度です。
④なぜオゾンガスが新型コロナ感染症の予防対策に適しているか
新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスは、
①飛泡感染(病原体が保菌者のクシャミ、咳、唾などで飛ばされて感染する)
②空気感染(空気中に浮遊した病原体を吸いこむことで感染する)
③接触感染(ドアノブ等感染)で広がるとされており、
いわゆる3密を避ける行動が要請されていますが、下記のような特徴を持っている低濃度オゾンガスを使えばその空間全体を、効率的に除菌・抗ウイルス環境にすることができます。
①強力な除菌力・抗ウイルス力
フッソに次ぐ酸化力を持ち、塩素の約6倍の除菌力を有しています。人体に害のない低濃度オゾンガスでも、その効力が実証されました。②酸素に戻るので安全
オゾンガスは大気中では非常に不安定な物質であり、殺菌力は極めて強いにも関わらず、菌やウイルス、臭いの分子など有機物等と反応すると分解して酸素に戻るので、塩素などの薬剤と違って残留毒性の心配もありません。
反応しなかったオゾンも、時間が経過すると自ら酸素に戻る性質があるので、低濃度オゾンを発生させ続けても、濃度が無制限に上昇し続けることはありません。
③気体なので隅々までいき渡る
消毒液の噴霧では、噴霧範囲しか効果がないのに比べ、気体のオゾンガスなら、診療エリア隅々までガスが到達し、効率的な院内全体のウイルス予防効果が期待できます。
⑤新型コロナウイルス不活化のしくみ
新型コロナウイルスは、ウイルスが宿主細胞に結合するのを助けるウイルスタンパク質「(S)蛋白」を含む脂質二重層からなる膜(エンベロープ)があり、その中に増殖のためのRNAとRNAを覆うウイルスタンパク質の殻「(N)蛋白」が位置しています。
オゾンガスはこの(S)蛋白、エンベロープとRNA、(N)蛋白を破壊するためウイルスの不活性化に有効であることが確認されました。
[用語]
脂質二重膜(エンベローブ) : (N)蛋白やRNAを覆っている (S)蛋白 : 脂質二重膜(エンベローブ)に配置されているタンパクで、これが宿主細胞に吸着する (N)蛋白 :RNAを覆うタンパク質の殻
① |
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② |
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いわゆる①と②のマルチポイント攻撃 |
新型コロナウイルスの周辺には、(S)蛋白というの糖タンパク質がスパイク状に並んでます。そして中心に悪さをする遺伝子RNA(リボ核酸)を(N)蛋白が囲んでいるのです。
オゾンによる不活化は、(N)・(S)タンパク質との反応、及び内部に入り込んだRNAとの反応によるもので、ウイルスの遺伝子(RNA)までも破壊するので、薬剤耐性のウイルスでも、容易に不活化することができるとされています。