誰でもできるの?

Q. 何歳でもできるの?

A. 年齢の「上限」はありません

日常生活がご自身で行える程度、具体的には階段の上り下りが一人でできる程度の体力があれば、インプラントは可能です。ただし、ご高齢になると後述の全身的な病気をかかえていることも多いため、よく相談して治療方針を決めていきます。

一概に「何歳まで」という線引きはなく、患者様ひとりひとりの状態により異なってきます。最高年齢はとてもお元気な91歳の方にインプラント治療を行いました。

また、年齢の「下限」はあります。

若い方でも、交通外傷や先天的に永久歯がない場合などでインプラント治療が必要となることもあります。一方、20歳くらいまで、アゴの骨自体が成長していて骨の形が変わることがあるため、成長が止まった20歳以降からインプラントが可能となります。

Q. 全身的な病気との関係は?

A. コントロールされた状態であればインプラントは可能です

コントロールされた状態であれば、全身的な病気があってもインプラントは可能です。高血圧・心臓疾患・糖尿病などでも、きちんと病院へ通って薬などで治療を受け、症状が安定しているならば、十分可能です。

もちろん、必要があれば内科等の「主治医」へ手紙を出して、全身的な症状について把握しておきます。「主治医」より薬の服用のタイミングなどについて指示がある場合もあります。「主治医」と連携して、安心・安全にインプラントを行っていきます。

Q. タバコとの関係は?

A. 禁煙をおすすめします

禁煙が可能であれば、少なくとも処置の2週間まえから禁煙していただくことが望ましいです。

タバコを吸う方の方が、インプラントのトラブルが起きやすいことが明らかになっています。

タバコを吸ったままインプラント処置をする場合は、そのリスクについてお話させていただき、ご了承いただいてから行うこともありますが、やはり基本的には禁煙を促すお話を少しずつさせていただきます。

インプラント治療をきっかけに禁煙を成功された方も多くいらっしゃいます。

ぜひ、お気軽にご相談ください!詳細は禁煙相談へ!

Q. 骨がもろい「骨粗鬆症」との関係は?

A. 骨密度が低くても インプラントは可能です

骨粗鬆症の診断が出ていても、後述の「ビスフォスフォネート」と言われる種類のお薬を飲んでいない場合は、インプラントは可能です。

インプラントを支えてくれる「骨」があれば、たとえ骨密度が低くても、インプラント自体は可能です。

最近のインプラントはその性能が向上しており、密度が低くても正常な「骨」の組織があれば、インプラント周囲に新しい骨を呼び込む力があります。ただし、場合によりインプラントと骨がくっつくまでの待機期間を長めにとるなどの対応をとることもあります。

Q. 「骨粗鬆症」で「ビスフォスフォネート」を飲んでいますが?

A. 薬の種類・内服期間・全身状態により、 インプラントが行えないこともあります

骨粗鬆症の患者様には「ビスフォスフォネート薬」といわれる種類のお薬がよく出されています。

ビスフォスフォネート薬を長く服用している患者様で、抜歯など外科処置を行うと後の傷が治りにくくなり、頻度は大変低いのですが、ひどい場合には骨が壊死してしまうこともあることが報告されています。 これを「ビスフォスフォネート関連顎骨壊死」といいます。

「ビスフォスフォネート関連顎骨壊死」発症のリスクは以下のようになります。

患者様の状態(内服期間、リスク要因) 発症リスク
骨粗鬆症で他のリスク要因がなく、ビスフォスフォネート薬を飲み始めて三年未満 リスクなし
骨粗鬆症+喫煙、糖尿病などのリスクがある方、又は3年以上ビスフォスホネート薬を飲み続けている 0.01%~0.04%
乳がん、癌の骨転移で注射用のビスフォスホネート薬を投与されている 0.8%~1.2%

ビスフォスホネート薬は色々な病気の治療にはとても重要なお薬ですが、一度飲み始めると継続して服用することになります。インプラント治療を行う場合は、ビスフォスホネート薬を飲み始める前に治療しておいた方が安心です。また、すでに飲み始めている場合は、「主治医」に相談して、休薬や変更をおねがいすることもあります。

ご興味がある方はぜひお気軽にご相談ください!

「骨粗鬆症」で「ビスフォスフォネート」を飲んでいますが?
「骨粗鬆症」で「ビスフォスフォネート」を飲んでいますが?

画像のカードはビスフォスフォネート(ビスホスホネート)系薬剤を服用されている方に渡されます。カードをお持ちの患者様はご提示をお願いします。

コラム 骨粗しょう症 とは?

コラム 骨粗しょう症 とは?女性の方、特に閉経を迎えると女性ホルモンのひとつエストロゲンが減少してきます。その影響により骨密度が低下し、閉経後10年経ると骨粗鬆症になる方が増えてきます。

■健康な骨の代謝

健康な骨は常に古い骨を吸収しながら新しい骨を作っていくバランスが出来ています。

■閉経後の骨の代謝

閉経後は骨が形成されるスピードより吸収されるスピードの方が速くなり、 骨がスポンジのようにかすかすになってしまいます。 これが骨粗鬆症といわれる状態です。

■骨粗鬆症が進んでしまうと

更に症状が進むと普通では骨が折れないような日常の活動でも骨折してしまうようになります。 高齢で骨折をしてしまうとそのまま寝たきりになってしまったり、 内臓疾患にかかりやすくなってしまったりしてQOL(quality of life/生活の質)や 命にかかわってくるので骨粗鬆症が進行しないように治療する必要があります。

その骨粗鬆症治療の薬として、最近「ビスフォスフォネート薬」がよく用いられます。

これらの「ビスフォスフォネート薬」は簡単に言うと骨吸収のスピードを遅くして骨の量の減少を抑え、骨粗鬆症を防ぐ働きがあります。

骨粗鬆症治療にはとても有効なお薬なのですが、顎の骨には重篤な副作用を起こすことがわかってきました。

下記コラムに日本骨粗鬆症学会、日本骨代謝学会、日本歯周病学会、日本歯科放射線学会および日本口腔外科学会などの共同で制作した「ビスフォスフォネート関連顎骨壊死に関するポジションペーパー」を原文で参考用に掲載します。

コラム ビスフォスフォネートに関するポジションペーパー

経口BP製剤投与中の患者に対しては、侵襲的歯科治療を行うことについて、投与期間が3年未満で、他にリスクファクターがない場合はBP製剤の休薬は原則として不要であり、口腔清掃後侵襲的歯科治療を行っても差し支えないと考えている。しかし、投与期間が3年以上、あるいは3年未満でもリスクファクターがある場合には判断が難しく、処方医と歯科医で主疾患の状況と侵襲的歯科治療の必要性を踏まえた対応を検討する必要がある。BP製剤投与中の患者の休薬の原則を図3にまとめた。

侵襲的歯科治療が問題となるBP製剤治療患者
1.注射用BP製剤投与予定の患者
2.注射用BP製剤投与中の患者
3.経口BP製剤投与予定の患者
4.傾向BP製剤投与中の患者
・傾向BP製剤投与期間が3年未満、ほかにリスクファクターなし
・傾向BP製剤投与期間が3年以上
・傾向BP製剤投与期間が3年未満、しかしリスクファクターあり

図3.BP製剤投与中の患者の休薬について

図3.BP製剤投与中の患者の休薬について

BP製剤の休薬が可能な場合、その期間が長いほど、BRONJの発生頻度は低くなるとの報告がある。骨のリモデリングの期間を考慮すると休薬期間は少なくとも3ヶ月が望ましい。抜歯など侵襲的歯科治療後のBP製剤の投与再開までの期間は、術創が再生粘膜上皮で完全に覆われる2~3週間後、または十分な骨性治癒が期待できる2~3ヶ月後が目安であろう。BP製剤の休薬の可否を決定する際には、医師・歯科医師と患者との十分な話し合いによりインフォームドコンセントを得ておくことも肝要である。

コラム 糖尿病 との関係

コラム 糖尿病 との関係お口の中の健康は、全身の健康に欠かせません。

糖尿病は神経障害、網膜炎、腎炎などの合併症を引き起こす他、からだを守る免疫細胞や血管の機能低下・創傷治癒の遅延などにより、歯周病関連細菌により感染しやすくなり、歯周組織が急激に破壊され歯周炎が重症化することが知られています。その結果、糖尿病により重症化した歯周病で歯を失うことも少なくありません。

 

先日も、糖尿病をお持ちで歯を多く失った患者様がインプラント治療を希望して来院されました。患者様は糖尿病に関してきちんと内科に通院されておりコントロール状態もよく、インプラント埋入も無事終えて、現在は仮歯で過ごしていただいています。数か月後には焼肉でも何でも食べられるようになるの楽しみにお待ちいただいています。

患者様が来院されたのを機に、改めて糖尿病とインプラント治療についての文献を調べてみると、「血糖コントロールがなされていない患者について、インプラント治療が失敗するリスクが有意に増加することを示した科学的根拠のある臨床的データは存在しない。」という報告が数多くありました。従来、糖尿病の血糖コントロールの不良は、創傷治癒の低下・免疫反応の低下による感染リスクの増大などが影響し、長い間インプラントの禁忌とみなされていましたが、動物実験以外でそれを裏付ける直接的な科学的根拠のあるデータは見られないというのです。

むしろ糖尿病により歯を失ってしまった場合、インプラント治療によりしっかりと咬む機能を改善することで、食事療法・運動療法が適切に行えるようになり、糖尿病をはじめとする患者の全身的な健康に大きなメリットをもたらす可能性がある、との報告でした。

糖尿病の治療として、食事療法・運動療法・薬物療法がありますが、咀嚼を中心としたお口の中の機能低下は食事・運動に明らかに大きく関与しています。歯を失って入れ歯となり、繊維質の咬みごたえのあるものが食べられないために、栄養バランスを欠いた糖質を含むやわらかい物ばかり食べていると、血糖値が急激に上がります。また、しっかりかめないとゴルフ・野球・テニスなどをはじめ歯を食いしばるスポーツが十分楽しめず、運動療法にも悪影響をもたらします。

特に生活習慣としての食事管理に依存することが必須である糖尿病患者には、インプラント治療により口腔内の健康と機能を改善する利益は大きく、今後の十分な検討も踏まえたうえで、インプラント治療の適切な候補者となりえるのです。

糖尿病をお持ちでインプラント治療をお考えの方がいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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