④歯科麻酔での「痛み」への配慮

まず前提として「医師との信頼関係を築けているか」が重要です。その上で、さらに痛みの抑制に役立つための「器材」を使用することが効果的です。

歯科麻酔の「痛み」の軽減へのとりくみ

「歯の治療は嫌い」と思われている方はかなり多いと思います。特に歯科麻酔の「チクン」という痛みに対しては、恐怖心の強いお子様だけでなく大人でも「嫌だな 怖いな」と思われている方が大半ではないでしょうか?当科では、医師との信頼関係を構築した上で、表面麻酔薬・現在最も細い注射針・麻酔薬を体温に近く温めておく保温器・電動注射器などを使用して、痛みの軽減に努めております

表面麻酔 ゼリー&スプレー
表面麻酔 ゼリー&スプレー

針を刺す場所の歯茎の表面を麻痺させ、注射針を刺す痛みを減らします。バナナ味のゼリーで、小さなお子様にも嫌な思いをさせずに治療できます。

最も細い歯科麻酔針
最も細い歯科麻酔針

現在使用されている歯科麻酔針の中で最も細い針を使用する事により、痛みを軽減する事ができます。

電動麻酔器
電動麻酔器

麻酔注入時に一気に麻酔を注入すると、麻酔液を入れる速度の変化で体が痛みを感じます。 電動麻酔器では、一定速度で麻酔薬を歯ぐきに送り込む事により、痛みが起こるのを最小限におさえます。

麻酔薬のウォーマー
麻酔薬のウォーマー

体温「36.5℃」と同じ温度で麻酔薬を常に温めておく事で、麻酔液の体内流入時の刺激を減らし、痛みを軽減させます。

局所麻酔のステップ

麻酔のステップ① 過去の治療経験や恐怖心をお伺いします

まずはお話を伺いますいきなり麻酔を打ったりすることなく、過去の経験をしっかり伺ってから対処します。

過去の歯科治療経験を伺うと、

「麻酔の際に気分が悪くなったことがある」

「麻酔が効きにくくて困った」

「効きやすくて、治療後も長時間効いていた」

などのお話を伺えることがあります。

麻酔の効き方は個人差があり、また過去の治療経験から麻酔への恐怖心がある場合は、より痛みを感じやすくなっていることがあります。

よって事前にお話を伺い、患者様ごとに「痛みの感じやすさ」「麻酔の効きやすさ」「歯科への恐怖心」の程度を把握して対処法を変えていく必要があります。

麻酔のステップ② 処置をするまえに必ず「お声かけ」します

事前に「お声かけ」します“何をされるかわからない”という見通しがない状態で、お声かけせずに、いきなりお口の中を触られると、びっくりしますよね。

特に麻酔の注射の場合は、心構えのないまま不意に痛みがあるとその後の恐怖心が倍増してしまい、より痛みに敏感になってしまいます。

当科ではお口の中を触らせていただく際には、その都度お声かけをして、これから「何をするか」患者様に心の準備をしていただいてから処置していきます。

麻酔のステップ③ 表面麻酔の後、痛くないポイントへ麻酔します

”痛点”の少ない場所を狙います歯ぐきには痛みを感じやすいポイントと、感じにくいポイントがあります。痛みを感じるポイントを”痛点”といいますが、たとえば頬っぺたや唇などの動く粘膜と歯ぐきとの境目はこの”痛点”が多く分布していることがわかっています。

 

こうした解剖学的な知識をもとに、まずは痛みを感じにくい場所を狙って表面麻酔をしたのち、少量の麻酔を行い、徐々に効いたところでさらに深いところに麻酔進めていきます。こうすることで、「痛み」をほとんど感じることなく麻酔を行うことも可能となります。

我慢しないことが大切です

治療中に「苦しい・つらい」と感じたら遠慮なく手をあげてください

こんなときは治療中でも遠慮せず、手を挙げて合図してください。

● 痛みを感じる、もしくは感じそうな予感がする

● 唾液がたまって苦しくなった

● 口を開けているのがつらくなった

● 気分が悪くなった

● その他、とりあえず休憩したい

手を上げたら、必ず一時中断します

治療中に苦しくならないようにできる限りの配慮をしながら治療を行っておりますが、もし治療中に少しでも「苦しい・つらい」と感じたら、治療の最中でも全く構いませんので、どうぞ遠慮なく早めに手を挙げて教えて下さい。

必ず処置を一時中断して、麻酔を追加したり、休憩していただきます。

ひどくなる前に受診いただくことが大切です

歯ぐきが腫れているときは、麻酔が効きづらくなっています

ばい菌により、歯や歯ぐきで強く炎症が起きているときは、麻酔が効きづらくなることが知られています。

歯ぐきに炎症があると、ばい菌の作用により炎症部位が”酸性・中性・アルカリ性”のうちの”酸性”に大きく傾いてしまいます。

一方、麻酔のお薬は”中性”の状態でもっとも効果を発揮できるのですが、”酸性”の条件下ではおおきくその効果が低下してしまうのです。

たとえば、”酸性”の場合には、”中性”のときと同様の麻酔効果を得るためには、約4倍もの麻酔投与量が必要とされます。

できるだけ大きな炎症になる前に早めに受診していただくことで、麻酔の効果を最大限に高め、お痛みを感じるリスクが下げられます

また、麻酔が効かないほどの大きな炎症の場合は、事前に抗生剤のお薬(飲み薬や点滴)で炎症を抑えてから麻酔を行うこともあります。

5倍速コントラ を導入しています

5倍速コントラとは 

5倍速コントラ皆さんが歯医者でイメージする音は『キュィ〜〜ン』という道具でしょうか?(エアタービンという道具です。)当科では、エアタービン以外に、多くの利点のある「五倍速コントラ」というものを各診療台ごとに設置して、なるべく「5倍速コントラ」を使用してます。

5倍速コントラの利点①不快な音・振動が最小限に

モーターで回転する切削器具ですので、削る時の音や振動がとてもマイルドです。

「5倍速コントラ」はギアによりエンジンの回転数を5倍にした機械であの金属音はしません。
(モーターなので回る音はしますがエアタービンより格段に静かです)

5倍速コントラの利点②歯に優しい・痛くない

高速で切削するタービンは摩擦熱が多いため 歯の中の神経がヤケドをおこすリスクが高いですが5倍速コントラは低回転、高トルクで削るのでエアタービンに比べると安全に削れます。つまり、歯にやさしく、無痛治療の取り組みにはやはり不可欠で、使用により約半数のケースでは麻酔の必要もありません。

5倍速コントラの利点③きれいに仕上がる

エアタービンは高速で回転するので先に装着する道具(バーやポイントと言います)がブレやすくなってしまいます。一方、5倍速コントラは低回転なのでバーのブレが少なく削った面がきれいに仕上がり、虫歯に強いよりぴったりの被せ物が作れます。

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